インプラント治療とは、歯周病などで歯を失った場合、その部分の顎の骨にチタンという金属でできたインプラント（人工歯根）を埋め込み、その上にセラミック（陶材）製の人工歯を装着する治療法です。
インプラントと顎の骨が強く結合して固定されるため、天然歯のような力でしっかりと噛むことができます。また、人工歯には自然な色調と透明感があるので、天然歯と変わらない外見を再現できます。
このように、インプラント治療は機能性と審美性を両立できる画期的な方法であり、歯を失った際の治療の主流となっています。
インプラント治療のメリット・デメリット、インプラントの種類、手術法などの詳細については、以下で詳細をご説明します。
インプラント治療とは
- メリット・デメリット
- インプラント治療の一番のメリットは、機能性と審美性を回復できることですが、当然デメリットもあります。治療をご検討の方は、デメリットもきちんと理解し、納得したうえで治療を受ける必要があります。
- メリット
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- 入れ歯のような違和感がなく、天然歯のように噛むことができる
- ブリッジのように、健康な歯を削る必要がない
- セルフケアを怠らず、歯科医院でメンテナンスを受けていれば、長期間使用できる
- デメリット
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- 顎の骨に埋め込むため、外科手術が必要となる
- 自費診療となり、治療費が高額になる
- 術前診断
- 当クリニックでは、インプラント治療に際して術前診断を大切にしています。
安全なインプラント治療を行なうためには、術前の入念な検査・診断が必要不可欠です。そうすることで、手術のリスクを最小限に抑え、より成功率の高い手術を行なうことにつながります。
術前には、主に以下のような詳細な検査を行なっています。
- ■レントゲン
- 虫歯・歯周病の有無、顎の骨の形状、顎関節の形状、副鼻腔（鼻の横の空洞）の炎症の有無などがわかります。
- ■CT
- 断層撮影で骨量、骨密度、神経や血管の走行位置が立体的にわかります。理想的な噛み合わせをつくるためにはインプラントの埋入位置が重要ですが、その部分の骨をあらかじめ立体的に把握しておく必要があります。インプラントを埋め込むための骨量が足りない場合は、骨造成を行なってから手術を行ないます。
- ■歯周ポケット測定
- 歯と歯肉の境目には、1～3mm程度の歯周ポケットという溝がありますが、それが4mm以上の方には歯周病のリスクがあります。ここは歯周病菌の温床となっているので、リスクの高い方は歯周病治療から始める必要があります。
- ■モニター検査
- 心電図、血圧、酸素飽和度（血液中のヘモグロビンが酸素と結合している度合）などを調べます。
- ■血液検査
- 全身の健康状態を正確に把握するために行ないます。糖尿病や高血圧などの疾患をお持ちの方は、インプラント治療が受けられない場合があります。
- ■咬合検査
- インプラント治療は、噛み合わせに異常があるまま行なうと失敗の原因となります。それを防ぐため、上下の歯列を型取りして模型を作製し、それを咬合器という器械に装着して噛み合わせを確認します。
この検査は、顎関節や天然歯の将来性を把握するうえでも非常に大切です。
- ■診断用wax up
- 咬合器に装着した模型に、歯科技工師がワックスで歯の形を作製し、どの位置にインプラントを埋入すれば最終的に理想の噛み合わせを作れるのかを把握します。インプラントの埋入位置が悪いと、形状に難のある歯ができ上がってしまいますが、この検査を行なうことでそれを回避できます。
- 手術法
- インプラントの手術方には『1回法』と『2回法』があり、歯肉の切開手術を1回行なうか、2回行なうかという点で異なります。
- メンテナンス
- インプラント治療が完了しても、それですべて終わったわけではありません。
お口の健康を維持し、長期間使用できるよう、セルフケアを怠らないのはもちろん、歯科医院で定期的にメンテナンスを行なうことが必要不可欠です。
頻度はお口の中の状態によって異なりますが、最初の1年は3〜4ヵ月に1回程度、2年目以降は1年に1回程度となります。
メンテナンスでは、人工歯が緩んでいないか、インプラントの周囲に炎症は起きていないか、噛み合わせは正しいか、などを確認します。それを行わないと、口の中の健康状態が悪化し、インプラントが抜け落ちてしまう可能性があります。
せっかく高額な費用をかけて治療を行なったのですから、それが無駄にならないよう、このメンテナンスをしっかりと行ない、いつまでも快適な状態でインプラントを使用できるようにしましょう。
- ストローマンインプラント
- 現在、国内外を問わず多数のインプラントメーカーが存在し、各社で多種類のインプラントを製造しているため、多くのインプラントが流通しています。そのため、「自分の顎の骨に埋め込むインプラントがどのメーカーのものか知っておきたい」という患者さんもいらっしゃいます。
当クリニックでは、『ストローマンインプラント』を採用しています。ストローマンインプラントは、スイスのストローマン社で製造されており、世界中で使用されている信頼できるインプラントです。
ストローマンインプラントの特徴は、インプラントの表面に『SLA』（Sand-blasted Large-grit Acid-etched）という加工が施されていることです。これはストローマン社が独自に開発したもので、インプラントと顎の骨の癒着を促進し、より強固に結合させる働きがあります。
そのため、早ければインプラント埋入後約6週間で人工歯を装着することが可能となります。
ストローマンインプラントジャパン